犬の毛玉とは、抜け毛やもつれた毛が絡まり合って固まったものです。
結論からお伝えすると、指で裂いてほぐせる小さな毛玉は自宅で対処できますが、根元で固まった毛玉や広範囲のフェルト状の毛玉は、無理に取ろうとせずサロンに任せるのが安全です。
この見分けを間違えると、皮膚を傷つけたり、わんちゃんがお手入れ嫌いになってしまう原因になります。
本記事では、トイプードル&ポメラニアン専門ブリーダー直営サロンのPawPadsが、毛玉の見分け方・自宅での正しい取り方・やってはいけないNG行為・予防法まで解説します。
こんな方におすすめの記事です
- 愛犬にできた毛玉を自宅で取れるか知りたい
- 毛玉取りで愛犬を傷つけないか不安がある
- 毛玉を作らない予防法やブラッシングのコツを知りたい
毛玉に気づいた今が対処のタイミングです。ぜひ最後までご覧ください。
犬の毛玉はなぜできる?放置してはいけない理由

毛玉は「見た目の問題」と思われがちですが、実際にはわんちゃんの皮膚の健康に直結するトラブルです。まずは毛玉ができる仕組みと、放置したときに起こることを知っておきましょう。
毛玉ができる仕組みと原因
毛玉は、抜けた毛や絡まった毛が摩擦によって絡まり合い、固まることでできます。主な原因は以下の通りです。
- ブラッシング不足で抜け毛が被毛の中に残っている
- 首輪・ハーネス・洋服による摩擦
- 換毛期に大量のアンダーコートが抜けて絡まる
- シャンプー後の乾かし不足で毛が絡まったまま固まる
特に巻き毛や柔らかい毛質、ダブルコートの犬種は毛玉ができやすい傾向があります。
毛玉ができやすい部位
毛玉は摩擦が起こりやすい部位に集中してできます。日頃のチェックでは以下の部位を重点的に確認しましょう。
- 耳の付け根(掻く動作で絡まりやすい)
- 脇の下(歩行のたびに擦れる)
- 内もも・足の付け根
- お尻周り・しっぽの裏側
- 首輪やハーネスが当たる首周り
表面はきれいに見えても、根元にだけ毛玉ができていることがあります。ブラッシングの際は毛をかき分けて、根元から確認するのがポイントです。
放置すると起こること
毛玉を放置すると、次のようなトラブルにつながります。
- 毛玉が皮膚を引っ張り、常に痛みや不快感がある状態になる
- 皮膚の通気性が悪くなり、蒸れ・ニオイ・皮膚炎の原因になる
- 毛玉の下に湿気や汚れが溜まり、赤みやただれが隠れて進行する
- 毛玉が大きくなるほど除去の負担が増え、わんちゃんのお手入れ嫌いにつながる
小さな毛玉のうちに対処することが、わんちゃんの負担を最小限にする一番の方法です。
自宅でほぐせる毛玉とサロンに任せるべき毛玉の見分け方

毛玉対処で最も大切なのは、取り方のテクニックよりも「この毛玉は自宅で触っていいのか」の判断です。見分けを間違えて無理にほぐそうとすると、皮膚を傷つけたり、わんちゃんに強い痛みを与えてしまいます。ここでは判断基準を具体的に解説します。
自宅で対処できる毛玉の特徴
以下に当てはまる毛玉は、自宅でのケアで対処できる可能性が高いです。
- 指でつまんで裂くようにほぐせる柔らかさがある
- 毛先〜中間あたりにできている(根元に隙間がある)
- 大きさが小指の先程度までの小さなもの
- できて間もなく、まだ固く締まっていない
ポイントは「毛玉と皮膚の間に余裕があるか」です。毛玉の根元をつまんだとき、皮膚から離れた位置で毛玉が動くようであれば、自宅でほぐせる範囲と判断できます。
サロンに任せるべき毛玉の特徴
一方、以下に当てはまる毛玉は自宅で無理に取ろうとせず、サロンに相談してください。
- 根元で固まっていて、皮膚のすぐ近くにある
- フェルトのように固く締まって指が入らない
- 広範囲に板状につながっている(フェルト化)
- 毛玉の下の皮膚に赤み・ただれ・湿り気がある
- 触ろうとするとわんちゃんが強く嫌がる・痛がる
特にフェルト化した毛玉は、ブラッシングでほぐすことがほぼ不可能です。無理にブラシを通そうとすると毛を根元から引き抜くことになり、強い痛みを伴います。この状態はプロがバリカンで安全に除去する領域です。
サロンの現場でよくあるのが、「表面はきれいにブラッシングできていたのに、根元だけフェルト化していた」というケースです。スリッカーブラシは表面の毛には通るため、飼い主さまは毛玉に気づきにくいのです。コームが根元まで通るかどうかを、毛玉チェックの習慣にしてみてください。
判断に迷ったときのチェックポイント
自宅かサロンか迷ったときは、以下の3つで判断してみてください。
- 毛玉の根元に指が1本入るか(入らなければサロンへ)
- ほぐそうとしたとき、わんちゃんが嫌がらずにいられるか
- 5分ほぐして変化がないなら、それ以上は続けない
「もう少し頑張ればほぐせそう」と粘るのが、実は一番危険なパターンです。時間をかけるほどわんちゃんの我慢が限界に近づき、お手入れ自体への恐怖心が育ってしまいます。迷ったら中断してプロに任せる、が正解です。
自宅での毛玉の取り方|正しい手順とNG行為

自宅で対処できる毛玉と判断できたら、正しい手順でほぐしていきましょう。あわせて、やってしまいがちなNG行為も紹介します。手順そのものよりも「痛くさせないこと」を最優先に進めるのがコツです。
手順1|手で毛玉を裂くようにほぐす
いきなりブラシを当てるのではなく、まずは指で毛玉をほぐします。毛玉の根元を片方の手でしっかり押さえ、毛先の方から毛玉を縦に裂くように少しずつ分けていきます。
根元を押さえるのは、ほぐす力が皮膚に伝わって引っ張られるのを防ぐためです。この一手間があるだけで、わんちゃんの痛みは大きく減ります。
手順2|毛先から少しずつブラシをかける
指である程度ほぐれたら、スリッカーブラシを使います。ここでも根元を押さえたまま、毛先から少しずつブラシを通し、徐々に根元側へ進めていきます。いきなり根元からブラシを入れると毛が引っ張られて痛いので、必ず毛先からです。
最後にコームを通して、引っかかりなく根元まで通れば完了です。コームが途中で止まる場合は、まだ毛玉の芯が残っているサインなので、その部分だけ再度指でほぐします。
毛玉取りを嫌がらせないコツ
毛玉取りはわんちゃんにとって楽しい時間ではありません。嫌な記憶にしないために、以下を意識してみてください。
- 1回のケアは10分まで。取りきれなければ日を分ける
- ほぐれるたびに褒める・おやつをあげる
- リラックスしている時間帯(散歩後や眠い時間)に行う
- 嫌がったらすぐやめる。「押さえつけて最後まで」は逆効果
トリミング中の様子を見ていると、毛玉取りを嫌がる子の多くは、過去に自宅での毛玉取りで痛い思いをした経験があります。「うちの子はお手入れ嫌い」の背景に毛玉の痛みが隠れていることは少なくありません。だからこそ、無理をしない・痛くさせないことが何より大切です。
嫌がる子への慣らし方は、トリミングを嫌がる犬への対処法の記事をご覧ください。
やってはいけないNG行為
毛玉対処で事故やトラブルにつながりやすいNG行為です。
ハサミで毛玉を切り落とす
最も事故が多いのがこれです。毛玉は皮膚を引っ張っているため、毛玉のすぐ下に皮膚がたるんで持ち上がっていることがあり、毛玉ごと皮膚を切ってしまう事故が実際に起きています。特に根元の毛玉へのハサミは絶対に避けてください。
毛先側の小さな毛玉をどうしても切りたい場合は、毛玉と皮膚の間にコームを差し込み、コームより外側だけを切る方法がありますが、これも応急処置です。わんちゃんが少しでも動く可能性があるなら、ハサミは使わない判断が安全です。
毛玉があるままシャンプーする
毛玉は水に濡れるとさらに固く締まり、乾く過程でフェルト化が一気に進みます。「汚れているから先に洗いたい」気持ちは分かりますが、順番は必ず「毛玉を取ってからシャンプー」です。
無理に引っ張ってブラッシングする
根元を押さえずに力任せにブラシを通すと、毛が皮膚ごと引っ張られて強い痛みを与えます。一度「ブラシ=痛い」と学習すると、その後のお手入れ全体を嫌がるようになってしまいます。ほぐれないと感じたら、力で解決しようとしないことです。
毛玉を作らないための予防法

毛玉は「できてから取る」よりも「作らない」方が、わんちゃんにも飼い主さまにも負担がありません。ここでは日常でできる予防法を解説します。
ブラッシングの頻度と正しいかけ方
毛玉予防の基本はブラッシングです。頻度の目安は毛質によって変わります。
- 巻き毛・長毛・ダブルコートの子:毎日〜週3回以上
- 短毛の子:週2〜3回
かけ方のポイントは、スリッカーブラシとコームの併用です。スリッカーで表面と中間の毛を整えたあと、コームを根元から通して引っかかりがないか確認します。表面だけをなでるブラッシングでは、根元の絡まりが残って毛玉に育ってしまいます。
毛玉ができやすい耳の付け根・脇・内もも・お尻周りは、毛をかき分けて根元からコームを通す習慣をつけましょう。
換毛期(春・秋)はアンダーコートのケアを重点的に
ダブルコートの犬種は、春と秋の換毛期に大量のアンダーコートが抜けます。この抜け毛が被毛の中に残ったまま絡まることが、換毛期に毛玉が急増する理由です。
- 換毛期はブラッシングの頻度を普段より増やす(できれば毎日)
- 抜け毛を根こそぎ取ろうと強くかけない
- 自宅で追いつかない場合はサロンでシャンプー+ブローを
サロンのシャンプーとブローでは、家庭では取りきれないアンダーコートまで除去できます。換毛期に1回サロンを挟むだけでも、毛玉のできやすさは大きく変わります。
毛玉になりやすい犬種・毛質
毛玉リスクは毛質によって差があります。特に注意したいのは以下のタイプです。
- 巻き毛の犬種(トイプードルなど):カールに抜け毛が絡まりやすい
- ふわふわのダブルコート(ポメラニアンなど):換毛期のアンダーコートが絡まる
- ロングコートの飾り毛(チワワ・ダックスなど):耳・お尻周りの長い毛がもつれる
- MIX犬(マルプー・ポメプーなど):毛質が一頭一頭異なり、巻き毛×柔らかい毛の組み合わせは特に絡まりやすい
トイプードルの毛玉・フェルト化のリスクについては、トリミング頻度の記事で詳しく解説しています。
トイプードルのトリミング頻度は月1回が基本ですが、毛質・年齢・季節によって最適な間隔は異なります。毛玉やフェルト化のリスク、自宅ケアの方法まで、トイプードル専門ブリーダーが運営する岡山PawPadsが徹底解説します。...
MIX犬の毛質別ケアはこちらをご覧ください。
マルプー・ポメプー・チワプーなどMIX犬のトリミングは毛質の見極めがすべて。犬種ごとの毛質パターンと似合うカットスタイル、サロン選びのポイントを、岡山のプードル専門ブリーダー直営サロンPawPadsが解説します。...
犬の毛玉に関するよくある質問
毛玉について、飼い主さまからよくいただく質問をまとめました。
毛玉がひどい場合、サロンで断られることはある?
毛玉を理由に施術を断るサロンは多くありませんが、状態によっては通常のカットコースではなく「毛玉取り料金」の追加や、バリカンで短くする提案になることがあります。
大切なのは、毛玉がひどいことを恥ずかしがって相談をためらわないことです。フェルト化した毛玉は自宅ではどうにもならない状態なので、早めにプロへ相談する方がわんちゃんの負担は確実に小さくなります。予約時に「毛玉がひどい」と伝えておくと、施術時間や料金の見通しも立てやすくなります。
毛玉取りの料金はどのくらいかかる?
毛玉の程度によりますが、通常のトリミング料金に加えて500円〜3,000円程度の毛玉取り料金を設定しているサロンが一般的です。フェルト化が進んで全身バリカンが必要なケースでは、それ以上かかることもあります。
毛玉取り料金は「毛玉の量×施術時間」で決まることが多いため、放置期間が長いほど費用も上がります。小さいうちの対処が、結果的に一番経済的です。
バリカンで丸刈りにすれば解決する?
フェルト化した毛玉の除去としてバリカンは有効ですが、「毛玉予防のために常に丸刈りにする」のはおすすめできません。
特にダブルコートの犬種は、バリカンで短く刈り込むと毛質が変わったり、毛が生えそろいにくくなったりすることがあります。また被毛には皮膚を紫外線や乾燥から守る役割もあるため、短くしすぎることにはリスクがあります。バリカンを使うかどうかは、その子の被毛の構造を確認した上でトリマーと相談して決めましょう。
ダブルコートのバリカンのリスクは、チワワのトリミング解説記事でも詳しく触れています。
▶ 岡山のトリミングサロンの料金相場や選び方の全体像はこちらの記事をご覧ください。
まとめ|毛玉は「取る」より「見分けて防ぐ」が大切

犬の毛玉対処で一番大切なのは、無理に取ろうとしないことです。指でほぐせる小さな毛玉は自宅でケアし、根元で固まった毛玉やフェルト化した毛玉は迷わずプロに任せる。この見分けができれば、わんちゃんを傷つけることも、お手入れ嫌いにさせることもありません。
- 自宅で対処できるのは、指で裂けて根元に余裕がある小さな毛玉だけ
- 根元で固まった毛玉・フェルト化・皮膚に赤みがある場合はサロンへ
- ハサミでの毛玉カットは皮膚ごと切る事故のもと。基本は使わない
- 毛玉があるままのシャンプーはフェルト化を進める
- 予防はスリッカー+コームの併用ブラッシングと、換毛期の重点ケア
毛玉のお悩みはDogsalon & Cafe PawPadsへ
岡山市北区のDogsalon & Cafe PawPadsは、トイプードル&ポメラニアン専門ブリーダーが直営するトリミングサロンです。毛玉ができやすい巻き毛やダブルコートの毛質を熟知しており、毛玉の状態に合わせた無理のない施術をご提案しています。
- 毛玉がひどくなってしまった子も、そのままご相談OK
- 専用カウンセリングルームで状態を確認し、負担が最も少ない方法をご提案
- お手入れを嫌がる子は短時間のメニューから少しずつ慣らすことも可能
- ReFa FINE BUBBLE Uのシャンプーで毛玉除去後のデリケートな皮膚もやさしくケア
岡山で愛犬の毛玉にお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。